太古の昔、人間は火を扱うことによって食の範囲を色げたり、消毒に利用したり、加工に利用したりと様々に暮らしに生かしてきました。 と同時に不始末により起こる火災との戦いも始まったと言えます。
私達の生きる現代社会においても、やはり火災は恐ろしい災害の一つには違いありません。ではビルのような集合、高層施設での火災対策の設備ってどうなっているんでしょうか。
今日は火災対策の設備をご紹介します。この記事は興味を持って調べていただくきっかけになればいいな、と言うページですので、詳細な仕組みや種類については一切言及していません。 本当に細かいことを言うと違う点もあるかもしれません。
先輩が後輩に、お父さんお母さんが子供に教えるような感じでゆるく見てくださいね。
では早速行きましょう!
火災対策には下記のようなものがあります。
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①発見する→自動、手動火災報知器
②知らせる→非常放送装置
③消す→スプリンクラー、消火栓
④広げない→防火防炎設備
それぞれをかんたんに説明してみます。 3階建のビルで考えてみましょう。
①発見する
火災は気が付かないうちに火がついて燃え広がってしまうと手がつけられなくなります。であれば、一刻も早く火事を発見しなくてはいけません。そこで登場するのが自動火災報知機です。
各階に火災報知器を屋根に取り付けてそれぞれ番号を1、2、3と振ったとします。
そしてビルの3階の2番の区域で火災が起きたとします。すると、3階のNo.2で火災が起きたぞということを1階の受信機が反応して、その場所のランプが付きます。
そうすることで、初期消火だったら警備員の人が駆けつけて消火器とかで消せるかもしれないし、避難誘導もできるかもしれないし、なおかつ誰も気づいていない火を小さいうちに消せるかもしれません。
そのような考えで自動火災報知機は作られています。
なお、図の一番右上に消火栓といわれる赤い扉の箱があります。この中には消火ホースが収納されていたり、消火栓の上に火災報知ボタン(よくいたずらされるあれです)や非常電話などが取り付いていたりします。
これは人間が火災を発見した時に手動で受信機に火災を知らせるもので、そうやって火災を知らせた場合にここが火災を教えてくれた箱の場所だよ!ということがわかるようにランプが付いている、というわけです。
したがって、受信機は常に人がいる場所に取り付けておくのがいいわけで、駐車場の管理のおじちゃんがいる部屋だとかに受信機がよく置かれています。
学校だと職員室だとか用務員室にもあることがありますね。
受信機もメインとサブといった具合に同時に何箇所でも同じ火災情報を見ることができるようにすることもできます。
さらには自動で消防に電話するようにすることもできます。
火災報知器の一例です。
よく天井に取り付いているタイプです。 家庭にも取り付け義務がありますね。
家庭のものは電池で動作し、報知器自体が鳴り響いて火災を知らせるタイプが多いように思います。目覚ましの火災版ということです。
これは消火栓の例。上にある赤いボタンを押すとジリジリとベルが鳴り、火災を周囲に知らせると同時に受信機に火災を知らせる信号も送ります。 いたずらしちゃだめです。
これは受信機の例です。
ランプがたくさん内蔵されていて、光ったところが火災、と考えればいいと思います。
警備員の方のいるところに設置されていることが多いですね。 学校だと職員室の隅の方にあったりします。
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②知らせる
さて受信機が火災を検知しました。知らない人に知らせて逃げなくてはなりません。
知らせるために放送装置を使います。普段は迷子やそこで働いている人の呼び出し、キャンペーンの案内やBGMなど様々な使い方をしている放送装置ですが、これを利用して火災を沢山の人に一気に知らせることができます。
先ほどと同じ例で3階のNo.2区域で火災が起きた時に、受信機から放送装置に司令が行きます。
「火事が起きたから放送して!」「わかった!」
放送装置は内蔵されている自動音声を事前に組み込んでおいたプログラムに応じて、当該の区域に放送を流します。
このときに、こういった火災が起きた時に人間をどちらに逃がすのか、どこまでの人を逃がすのかといったあらかじめの計画が重要になってきます。これを防災計画と呼びます。
なお、このときの非常放送には悲壮感がでていて人が不安にかられるような声や音を使います。
間違った火災報知であったよ、と知らせる放送もあるんですが、そちらは安心してね、と言う気持ちがこもった優しい言い方になっています。面白いですね。
放送装置の例です。
「火災」と言うスイッチを押すと自動で音声が流れるようになっています。あわててしまっても大丈夫なようになっているわけですね。
③消す
さていよいよ火が大きくなってきて、人間の手では消火が難しくなった、あるいは人が逃げる時間が経過したとなれば、自動で消火してしまいます。
人間がまだいるところに水を引っ掛けるのも危険が伴いますし、不活性ガスといった窒息させるガスを用いたり泡を消火で使うときもありますから、そういったことも前述の報知設備で知らせる必要があります。
人間を救うための設備が人間を危機に陥れては本末転倒ですものね。
今回は水で消火する場合で考えますが、そういった理由でいきなり水を噴霧することはありません。
ある程度時間が立ってから水を噴射しますが、一体何分待つのか、ということも防災計画や消防法といった法律に従って考えることになります。
また同じ絵で考えてみましょう。
3階のNo.2で火災が起きたとすると、受信機がポンプに、地下の消火用水のタンクから水を汲み上げておけ、と司令を出します。
汲み上げている時間の間に人間が逃げたり知らせたりできます。そうして一定時間立ったところで、あるいは火災がある程度広がってしまったところでスプリンクラーが反応して水を噴射します。
こうして3階のNo.2の火が消えるというわけです。
なお、消火栓にも水が充填されるので、消防士の方が駆けつけて消火栓のホース等を使って消火活動をすることもできます。
このようにしてビル火災にはいろいろな備えがされているわけで、工事した後も消防署の検査を受けたり自主的に検査をしたりして日頃から準備しているわけです。
上が消火用水槽のポンプの例、下が屋上などに設置されている汲み上げ水タンクの例です。
いずれもひと目にはつきにくい場所に取り付けてある場合が多いかもしれません。
そして、火災報知器と同じく、スプリンクラーも天井についていることが多いです。
④広げない
なお、「④の広げない」と言う設備には防炎シャッターや防火扉など様々なものがありますが、建物の形状や用途によって設備が色々違うため、これについては割愛します。
ここまで読んで頂けた方なら興味を持ってもらえていると思いますので、ぜひ深堀りして調べてみていただけたらと思います。
災害はいつ起きるかわかりません。
知識を持っていることで自分の生存率を少しでも高めることができるように、日頃から興味を持っておくこともいいかもしれません。
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