青森県青森市で毎年8月2日~7日に開催される「青森ねぶた祭り」が、新型コロナウイルス感染拡大による影響で、昨年2020年に続き2年連続で中止となりました。
東北三大祭りの1つであり、日本の火祭りと称されていることから、ねぶた祭りには毎年国内だけでなく、海外からも数多くの観光客が訪れていますが、2年続けての中止となり、祭りを楽しみにされていた方々も大変ショックを受けていると思われます。
今回は、青森ねぶた祭が中止を決定するまでの経緯や、ねぶたを制作するねぶた師や運行団体など、制作側への補償や、新型ねぶたを披露する代替イベントの予定について説明していきたいと思います。
『青森ねぶた祭り』中止までの経緯
今年のねぶた祭りは、年明け間もない1月の時点で開催を大々的に宣言していました。
青森ねぶた祭りが始まってから60年も毎年欠かさず開催してきたので、中止という苦渋の決断をしたことが、ねぶた祭り実行委員会や青森市民にとって悔しい思いをしてきたので、今年は何が何でもねぶた祭りを開催したいという決意が感じられました。
ただ、コロナ禍での開催のため、国や青森県のガイドラインに基づきコロナへの感染対策を徹底する為、従来のねぶた祭りの形式を大幅に変更しました。
主な変更点はこちら!
1:周回の仕方が逆回りになった
従来は運行コースを時計回りに進みますが、今回は反時計回りで逆に進む。
2:開始時間に1台ずつ控え場所を出発するようになった
従来は、開始時間である19:10の2時間前の17:00頃から控え場所の「ラッセランド(青い海公園)」を出発し、各々のスタート位置にスタンバイしていましたが、今回は、開始時間にラッセランドから1台ずつ出発するようにしていました。
この、1台ずつ出発する方式は「吹き流し方式」と言って、実は昔のねぶた祭りは、この吹き流し形式で運行していました。(時期は1992年~2000年まで)
しかし、祭りが終盤になるとハネトで溢れかえる為ゴール地点は常に渋滞し、それ以前から問題視されていた「祭りそのものが中々終わらない」という問題が解決しませんでした。
ねぶた祭りは、青森市内の幹線道路を2本通行止めにして行うので、時間通りに祭りが終了しないと市民生活に与える影響も大きかったです。
また、この頃から「カラスハネト(カラス族:正式な衣装ではなく、黒装束などの衣装でねぶた祭りに参加し傍若無人な振る舞いをする不良集団)」が増大しており、だらだらと祭りを運行していたら最後尾にカラス族が集合し、祭りそのものがカラス族に私物化され壊されてしまうという問題も起きていました。
そこで2001年に、現在のようにスタート地点に配置して時計回りに運行する方式となり、カラスハネトが大幅に減少し祭りがスムーズに進行することに成功しました。
しかしその一方で、吹き流し方式時代からねぶた祭りを観覧している人達の間で、以前に比べて祭り自体が大人しくなり盛り上がりに欠けているという声も聞こえるようになりました。
吹き流し方式は、完全に廃止されていたわけではなく、祭り最終日の7日にある「昼ねぶた」は吹き流し方式を採用しています。
3:国道の観覧席が車道の一列に設置される
従来は、歩道に設置される国道の観覧席ですが、今回は観客の密を避けるため、車道の一列に設置されることになっていました。
また、従来は国道の歩道に「桟敷席」が設置されていますが、今回は、「椅子席のみ」設置する予定でした。
こちらの形式ですが、2016年に青森市で開催された「東北六魂祭(現:東北絆祭り)」で実際に設置されていました。
ただ、歩道から祭りが見えないように白いシートでバリケードを隠して、チケットを持たない一般客と暴動騒ぎになったエリアが多かったという汚点を残しましたが。
4:ハネトは事前登録制で、当日参加は不可
従来ハネトは、正式に認められている衣装を着用している場合、どの運行団体でも当日に飛び入りで参加することが出来ます。
もちろん事前登録なんてする必要もありませんでした。
しかし今回は、密になるのを防ぐため、ハネトは事前登録の参加のみ認め、当日の飛び入り参加は認めない方式にしました。
こんなご時世なので仕方がありませんが、「誰でも参加出来る」という、ねぶた祭りの醍醐味が失われたのはショックでしたね。
以上のように、従来とは大幅に変更したうえでねぶた祭りを開催する方向で進められていました。
青森県内の感染者が急増
ところが、4月に入ると青森県内でコロナの感染者が急増し、特に青森市内では4月から5月にかけてクラスターが立て続けに発生しました。
しかもクラスターの大半は、ねぶた祭りの運行コースにもなっている「本町地区」でした。
青森県の病床使用率は、5月終了時点で病床逼迫を示す「ステージⅣとなる50%超え」となり、まん延防止等重点措置の一歩手前になるほど深刻な状況でした。
その影響で、ねぶた祭りと同時期に開催されている「弘前ねぷた」などが中止を表明しました。
ねぶた祭りは、例年22の運行団体が参加していますが、今年は16団体が参加を表明していました。(元々17団体でしたが、6月に1団体参加を辞退しています)
また、毎年7日の夜に開催される「ねぶた海上運行」と「青森花火大会」の中止を決定し、2日~7日まで開催される「本祭」のみの開催の方針としました。
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青森ねぶた祭り中止へ
しかし、感染者が急増しているのに加え、感染力が強い変異株の感染者も増え続けていることを踏まえ、6月4日、今年の青森ねぶた祭りが開催中止の方針であることが判明しました。
そして6月18日のねぶた祭り実行委員会の会議で、正式に開催中止と決まりました。
昨年に引き続き2年連続での開催中止となりました。
制作側への補償や代替イベントの予定は?
制作側への補償ですが、青森ねぶた運行団体協議会は6月15日、ねぶた祭り実行委員会に対し、運行団体への財政面での支援などを求めた要望書を提出しました。
補償については、これから協議していくとのことです。
ねぶたの制作費は約500万円掛かると言われているので安くない金額です。
制作側への補償はしっかりと実行してほしいです。
また、既に予約が入っている、約2万9000席の有料観覧席は払い戻しの対応を行っているとのことです
しかし、補償も大事ですが、ねぶた師など制作側は「新しいねぶたを皆に見せたい!」という想いの方が強いです!
ねぶた祭りに代わる代替イベントについても現在協議中ですが、情報では「運行団体と協議しながら、秋にも開催を検討していきたい」と、ある関係者は述べていました。
ちなみに、今年のねぶた祭りで出陣する予定だった大型ねぶた全16台はこちら!
たしかに、お披露目する機会があってほしいですね。
では、どのようなイベントでお披露目出来れば良いのでしょうか?
1日限定の青森ねぶた祭り
代替イベントとは言いましたが、いっそのこと1日限定でねぶた祭りをやってしまうというのも良いですね!
現在は感染状況が低下しており、病床使用率も1桁になっているので、1日限定だったらねぶた祭りを開催出来るのではないでしょうか。
ただ、有料観覧席は密になるのを防ぐため「青森県内限定で販売」とし、運行コースの中で最もねぶたの見栄えが良く人気となっている「青森市役所」にカメラを設置し、国内外にライブ配信を行うというのも有りかと思います。
運行方針については、従来方式でも吹き流し方式でもどちらでも可能ですが、今の若い世代は吹き流し方式を知らないと思うので、経験させるのも良いかと思います。
まとめ
今回は、2年連続で中止になった青森ねぶた祭りの中止までの経緯と、中止に伴う制作側への補償や代替イベントの予定について説明していきました。
来年こそは、青森ねぶた祭が通常通り開催されることを願っています。
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